鳴門の案山子総受文章サイト
まったく、めんどくさいことになった・・・・・
カカシは足下の小石を思いっきり蹴り飛ばす。
不規則な形の石は、思いっきりカーブして飛び、見事に3つ向こうの電信柱にぶつかって、4つくらいに砕け散った。
せっかく、ナルトとツーマンセルの仕事が入ったってのに。
しかも、俺の邪な気持ちなんぞ露ほどもご存じない火影の
「ま、仕事の内には入らん。ちょっとお前をこき使ったから(これからも使うから)骨休めのつもりで行っていいぞ」
という、薄幸な俺の一生分のラッキーを使い果たしたような任務だったのに!!
最高な気分で、明日に備えようと駆け足で待機所を通り過ぎようとしたら、
「あ、先輩!!!」
と、引き留められて。
「なんだよ、テンゾウ!!俺は忙しいんだ」
「僕、アナタのスケジュール、把握してんですが」
「はあ?なんで!!」
「午後休とったでしょう?」
「貴様!!明日の準備だよっ!!!」
「何の準備がいるんです?火影様から僕も聞いてるんですよね、任務と言う名の温泉リハビリだって」
俺は辺りを見回す。数人の上忍が、リハビリに反応してクスクス笑っていた。
俺はテンゾウの胸ぐらを掴み上げる。
「お前ぇ~、『心の』をつけろよ!!任務に疲れ切った神経を解きほぐす『任務』なんだぞ!!」
「ま、どう言ったって『リハビリ』です」
「っていうか、なんでお前が知ってるんだ、俺のスケジュールっ!!もしかして俺のストーカーか?」
ハッと憎らしく笑うと、テンゾウは言った。
「事実から遠すぎて、冗談にも聞こえませんね」
「(イラッ)」
「つまり、僕も行くことになったんです」
「なにい???」
ななな、何だよ、この展開!!
俺の一生分のラッキーなハズだろ?
・・・・・
・・・・あ、薄幸だからか?
俺の人生、幸薄いからか?
思いっきりかき集めても、こんな程度か?
「僕だって先輩と温泉なんか行きたくないですよ」
ブツクサ言うテンゾウをさらに締め上げて、
「なんで、お前が行くんだ?」
と問いかける。
「一応の安全弁みたいなモンです」
「あのなあ、ただの慰安旅行で、どうして九尾が覚醒するんだよ?」
「知りませんよ!!!おまけみたいにくっつけられた僕の方が可哀想でしょう!!」
テンゾウは、言うことは言ったとばかりに俺から逃れ、帰ろうとする。
「おい、ちょっと待て」
「なんですか」
べつにテンゾウにどう思われたっていいが、さっきのセリフは聞き捨てならん。
「なんでお前は俺がイヤなんだ?」
「パシリが公式設定ってどうかと思いますよ、僕も」
・・・・ふん。
まあ、その通りなので、俺は頭を掻き掻き、納得する。
でも。
常にエロ本片手がスタンダードって、俺が一番酷いだろ・・・・・