戯れ言の涙
俺たちに、なんで子供ができないか、わかる?
くだらない質問だ。
ヘテロじゃないからだ。
そう言った。
もうちょっと疲れていたら、声すら出さなかった。
カカシは、にっこりと笑う。
違うよ。
何とでも言え。
そんなのは言葉遊びだろう。
そう言ったって理屈は一つだ。
カカシが俺の頭に手を置く。
神様が時間をくれてる。
は?
カカシの指がクシャと俺の髪に絡む。
ずっと愛し合っていていいって。
二人の間に子供ができるまで、ずっと、恋人でいていいって。
馬鹿なことを言うなと見上げて、俺は後悔した。
俺はカカシの身体を抱く。
俺の髪に、熱い雨滴が落ちた。
俺たちは、神様に甘やかされているんだな。
俺もそう言って、ちょっとだけ泣いた。
2008.03.20./04.20.up