鳴門の案山子総受文章サイト
たった一つ望むこと [サスカカ]
カカシは顔を隠している割りには、結構、景気よく脱ぐ。
以前、バツゲームで云々というのがあったが、そういう事じゃない。
脱ぐべきところで、躊躇無く脱ぐ。
・・・もったいつけて悪いが、公衆浴場とかそういう場所で、だ。
変な奴だと思う。
顔を隠して、全身丸出し・・・・
でも、それならそれで、カカシマニアのオレとしては有り難いことだ。
じっくり観察させていただくとも!!
◇◇◇
先日のカカシの全裸は、温泉の露天だった。
ゆるい任務で、しかも結構な人数。夕刻に終わって、みんなで温泉へという平和な流れ。
あげくには、近くまで来ていた教師連中と合流、つまり、イルカ先生もいた。
さあ、今日も景気よく脱ぐところから拝見しようかと計画を立てていたのに、なぜか、この日に限って、カカシが風呂に行こうとしない。
「おい、カカシ、行かないのか?」
痺れを切らして誘ってみたが、
「こんなに大勢なら芋洗い状態だよ。後で行く」
と休憩所みたいなだだっ広い部屋でエロ本を読んでいる。
クソ。これじゃ、裸を拝めない。カカシが行くまで待つか、とオレも待機。
「サスケ、お前は行かないの?」
「混んでるのはオレもイヤだ」
と、なんとかかわす。
ところがだ。
時間はどんどん経っていき、ぞろぞろ上がってきた連中で、休憩場所も次第に混み始めた。帰り始める奴もいて、もう、いい加減不自然だ。
「おい、カカシ、行くぞ!」
痺れ切れまくって第二声!
「あ、ああ・・・」
カカシは何かを目で探しながら、オレの後に続いた。
さあ、カカシの裸だ!!
もちろん、カカシはそこに躊躇がないので、いつも通り普通に脱いでいる。
と、浴室の引き戸がカラカラと開いて、イルカ先生が出てきた。
「あ、イルカ先生」
オレが言うと、ガタンと大きな音をさせて、カカシが慌てる。
「よう、サスケ。カカシさん。今、入るところですか?」
「あ、はい」
小さな返事にオレがカカシを見ると・・・
な、なんだこいつ!!!すっげー赤面してるっ!!!
「いい温泉ですね。露天、夕日が当たって最高ですよ、今」
イルカ先生がそう言って、腰のタオルも外して、ハッハッハッと豪快に笑った。
カカシは、
「あ・・・そう、ですか・・」
なんでしどろもどろ?
イルカ先生の方を見もしない。
はあ?
カカシ、アンタ、もしかして・・・
イルカ先生のこと・・・・好きなの???
イルカ先生は気づいているのかいないのか、のんびり服を着ている。
オレはちょっとむかついて、カカシを置いてさっさと浴場に入った。
やがて、こっちに入ってきたカカシは、もう赤面のカケラもなく、普通に湯船に沈む。夕日が綺麗だという露天で、カカシの裸を拝みたいオレは、
「おい、露天に行くぞ」
さも当たり前の様に誘う。
「お先にどうぞ」
と、軽く返されたが、
「イルカ先生絡みの話があるんだけどな」
と、思わせぶりに言うと、カカシが黙る。
図星だ。こいつ、オレよりわかりやすい。
まあ、さっきの慌てぶりを、上手く隠せたとは、当然思っていないだろう。
露天に出る。
イルカ先生が言ったとおり、空がオレンジ色の液体で満たされたかのように艶めいた綺麗な色で染まり、そのまま温泉もオレンジ色に輝いていた。
我慢しきれず、オレはカカシの裸を振り返って見る。
『鼻血って、たぶん、噴くよね、興奮で』と実感したくらい血圧が一気にアップし、目眩と共に、オレはその綺麗な全身を見る。
「なんだよ、イルカ先生の話って」
カカシ自身も取り繕えないくらい、性急に聞いてきた。
なんか、オレ達、馬鹿みたいだな。
「フン。アンタ、イルカ先生が好きなのか?」
「・・・・・・」
ま、その沈黙はそういうことだ。
「イルカ先生本人にばらされたくなかったら、オレの言うこときけ」
湯船に足を入れて、露天に入りかけながら、カカシがギョッとした目をした。
「それって脅迫のつもりか?」
「そうとってもらってもかまわない」
カカシは動きを止めて、しばしオレを見ていたが、オレの微塵も揺るがない様に、ついに諦めて言う。
「お前の言うことってなんだよ?」
「アンタの裸」
カカシは大仰に息を吐くと、今度こそ、湯船に浸かった。湯が大きく動いて、オレの身体をゆっくり揺らす・・・
「あのさあ、前に見せてやったよな?」
確かに。
「それに今も見てるでしょ?これ以上どうしろって言うんだ?」
「よく、見せろ」
思いがけずカカシが吹き出す。
「はははは・・・ホントお前、懲りないね」
「オレの気持ちを笑うのか、カカシ」
カカシが笑うのを止めて、オレを見る。
「オレは脅迫したかもしれないが、お前のイルカ先生に対する気持ちは茶化さないぜ」
ちょっと決まったな、と思いながら、オレは続ける。
「だから、そこで笑うな」
「・・・・悪かった。でも、オレにその気がないのに、」
「だから、そこは脅迫してるだろ」
「理屈っぽい犯罪者か、お前は」
「どうでもいいよ。オレはアンタの裸をじっくり見たいだけ」
「それって」
「なんだ」
「普通、変態っていうんじゃないのか?」
はあああ、と今度はオレが溜め息をつく。
「好きな奴の裸を見たいってのが変態なら、世の中変態しかいねえな!」
カカシがグッと唇を結んで、夕日を見つめている。
「アンタさあ、オレを舐め過ぎなんだよ。ガキだと思って適当にあしらえばいいと思ってるだろ」
「そんなことないよ・・・」
「アンタは、仕事じゃ誰よりもオレ達を対等に扱ってくれるし、評価もする。そういうところ、オレは尊敬してるんだぜ。それがこと、こういう事になると、全然、ダメだよな、カカシ」
オレは立て板に水を流すごとくベラベラ喋ってカカシを圧倒する。
そう。
この場合の正しい大人の対応は「馬鹿か、ガキが。寝言は寝て言え」に決まってる。それなのに、カカシはそれが出来ない。つまり、オレは逆の事を言っている。こういうことにおいてすら、オレ達と同じ位置にいようとするから、カカシは大人の対応ができないんだ。
以前カカシを剥いたとき、追い詰められたカカシは、そこでやっと大人の対応が出来ていたが、今回は状況が違う。今は、オレに脅迫されているのだ。
「そんなに、イルカ先生が大事?」
「・・・・・」
「アンタの気持ちがばれたらまずいのか?」
「お前に関係ない」
「フン。ま、いいや」
オレはゆっくり湯船に沈むと、カカシの側に来る。
カカシは何故か、顔を覆っていたタオルを取ると素顔になった。もちろん、何度か見たことはあるが、瞬間ビクッとするほど、綺麗なオレ好みの顔ではある。
夕日は、今まさに最高潮に輝いて、カカシの銀髪が眩しい。
「さ、立って」
オレの指図に、カカシは無言だ。
「早く、立って」
湯船に浸かっているオレの目の前でカカシを立たせようというのだ。
つまり。
立ち上がれば、その一番大事なところがオレの目の前だ。
動かないカカシに苛立って、もう一度言おうとしたとき、いきなりカカシが立ち上がる。が、その動作は綺麗で、今度は湯の水紋は僅かに乱れただけだった。
オレは息を飲む。
夕日に照らされたカカシの股間は、そこの毛の色も濃い銀色で、キラキラ輝く様は、想像を遥かに越えて美しかった。水を弾く滑らかな肌が、夕日に染まっている。ぶら下がっているものは、オレと同じもののハズだが、これも形と大きさが整っている。以前、武器保管庫で見た景色を思い出す。
「見た?」
上からカカシが言う。
「まだだ」
ここまで持ってくれば、もう、こっちのものだ。オレはゆっくりと顔を近づけ、びびったカカシが腰を引く。
「ちょ・・・なに?」
「よく見る、って言ったよな。よく見てんだよ」
「はあああ・・・ああ・・・」
心底呆れたカカシの声と長い吐息がオレの髪を揺らす。
「触っていい?」
「もう、お前・・・・大人をからかうなよ」
が、オレはカカシを知っている。これからはすべてオレのターンだ・・・
オレは、カカシをびくつかせないように、平らな腹の方からそっと触れる。ヘソの下から触るんだ。
「サスケ・・・」
ほら、逃げない。ゆっくり左手の指の腹で触れながら、それを下に下ろす。
陰毛の生え際辺りで、もう、オレの脳みそは、その人間という優れた生物のシステムの100%をカカシに使っていた。
毛を撫でる。ちょっとカカシが身じろぎする。でもオレはかまわない。そのまま局部は避けて、毛だけを撫でた。
ああ、イルカ先生。本当に綺麗な夕日だよ。
いつのまにかカカシはゆっくりと後退し、オレはそのまま前に移動していたようだ。
トンとカカシの腰が、露天の岩にぶつかる。
もう逃げ場のないカカシは、訴えるような切ない声を出した。
「も・・いいだろ。サスケっ・・」
「いやだ。まだ、ちゃんと見てない」
「お前の見るって、どういう、」
カカシは最後まで言えなかった。オレがカカシの中心を掴んだからだ。
それでも、オレはまだだ、と思っていた。ここまでなら、以前、保管庫でやったことだ。オレは、この先へ行きたい・・・・
「サスケ、貴様、いい加減にしろ」
「フン、チンポ掴まれて偉そうだな」
「イルカ先生に言えよ!いいよ、もう」
ああ、カカシ。馬鹿で愛おしいな。
「脅迫だって言ったよな?金にしろ、有利な条件にしろ、脅迫者が引き出したいものっていうのがある」
「・・・・・」
「オレにとってのそれが、アンタだ。だから、誰にも言わない。もちろんイルカ先生にも言わないよ。・・・アンタの事が好きなんだ」
「いいから、放せっ」
カカシの声が震える。もう、オレの手は微妙に動いていた。綺麗な形が、ビクビクと拍動して、オレに続きを促す。そっと、優しく、ゆっくり擦る。こんな生ぬるい刺激で、気持ちがいいわけはない。つまり、動作はオレのためだ。でも、こんな状態でも、ちゃんと反応しはじめるカカシが可愛い・・・
「いい加減、オレの気持ちをわかれ」
「わかってるよ」
「じゃあ、いいだろう?」
「いいけど」
・・・え?
「あんまり浸かってるとのぼせるから気をつけろよ」
は?
声が上じゃなくて、後ろからする。
ハッと気づいたときは遅かった。
分身かっ!??
振り返ると、腰にタオルを巻いたカカシが、風呂から出た所に立って、そこからオレを見下ろしていた。顔も隠している。
「貴様!!」
「どんな時も、忍者であることを忘れるお前が悪い」
慌てて前に向き直るが、そこにいたはずのカカシは、やはり消えていなくなっていた。
「くそっ!!」
っていうか、根性悪いぞ!!
「オレをここまでその気にさせて、からかいやがって!!」
カカシは、内風呂の方に向かいながら、
「だっておもしろかったから。ごめんね(笑)」
「クソっ!!」
「ははは・・・でも、ほんっとお前って、」
「なんだよ!!」
「エッチだよね(笑)」
うううむ・・・毎回良く聞くセリフではある。
「好きだからしょうがないだろ!!」
中に入ってしまったカカシにはもう届いていないが、オレは叫んだ。
オレも毎回、カカシにいいようにだまされて、いい加減どうなんだ、という部分もあるが・・・・
いや、相手がカカシである以上、無理だ。
だって、嬉しくなって、興奮しちゃって、もう忍者のスキルぶっ飛んじゃうからな。
対策の立てようがない・・・・
気づくと、夕日はとっくに落ち、照明がポツポツとつき始めた。
うへっ、寒い!!
オレも慌ててカカシの後を追う。
どんな目にあっても、やっぱり帰りも一緒に帰りたかったんだ。
〈終わり〉
◇◇◇
「・・・・・・」
こえええ・・・・隊長が無言だ・・・・
「感想はねえのか?」
「前から感じてはいたけど、サスケ君って本当に・・・」
「うっ・・・なんだ、サクラ」
「マニアックよね」
ぶっ!!! [← ナルト吹き出す音]
た、確かに。
サイトに上がっている話でも、とにかくサスケはミクロに、先生にこだわってるよな。しかも、先生の恥ずかしいトコロを観察すんのがお気に入りだ。
「まあ、」
お、隊長。ここで、どういう発言?
「あれだな、マニアというなら、いいだろう」
ぶっ!!! [← ナルト吹き出す音]
「フン。中途半端な変態に理解されるなんて、俺もどうしたもんかね(笑)」
ぶっ!!! [← ナルト吹き出す音]
しっかし、わかんねえ・・・・・この二人。
こいつら、カカシ先生に関しては、ハリウッド映画で主演を演じるレベルのサイコパスっていうことで、もういいや。誰も勝てねえ・・・
「でも、露天でエッチなんて、随分、陳腐な流れだね。はははは・・」
あれ、やっぱちょっとご機嫌斜めだってば。
「ヤマト、アンタも浅はかだな。最近、AVでも見ない忘れられたシチュだろうが」
「は?だから?」
「だから、原点回帰なんだ!基本に立ち返ったんだよ」
「グッ・・・」
サスケ、語れるほどAV観てんの?
っていうか、なんでそこで詰まるのさ、隊長・・・。
でも、なんなの?AVに原点回帰なんてあるのか?
「それに、この話には、重大な問題が含まれている」
え?
「誰も気づいてないのか?」
サスケ・・・偉そうだな。
「なんだよ、サスケ。教えてくれ!」
隊長必死すぎだよ。ま、重大な問題に気を引かれて、さっきのやりとりでやり込められた事をすっかり忘れているかわいい隊長ではある。
「俺は、カカシにしてやられたことで、あることの確認をしていないんだ」
「ん?なんの確認?」
一同、固唾をのんでサスケを見守る。いいのか、サスケ。
このハードル、越えられるのか?
「分身だよ」
分身?
「俺、カカシが、ただの分身だったのか、影分身だったのか、確認してないんだ・・・・」
え?それって・・・・
「お、おい・・・サスケ君、それは、それはあああ・・・」
さ、サスケ「君」?隊長、地味にやばくなってきたぞ・・・
「影分身だったら、えらいことね」
冷静にサクラちゃんが言う。
「そうだよ、サクラ。カカシは、俺に触られたチンポの感触を、あとで意識統合したときに、ゆっくり味わう事になる・・・・」
「うおおおお!!」
「さいこーーーーー!!!」
俺と隊長は、木目も新しい四柱家の床を、ゴロゴロと転げ回った。
「すげえな、サスケぇ!!」
「すごい!すごいよ!あとで、一人で味わってしまうっていうのがいい!!」
うわ、やっぱ変態でマニアック!!でも今は心の底から激しく同意!!!
「そうだ。あれほど拒否っておいて、あとで一人で感じるんだぜ!!」
ひいいい・・・・(喜)
が、サクラちゃんが、ボソッと言う。
「ま、ただの分身でしょうけど」
・・・・・
・・・・・
ん・・・・まあな。先生がそんなに馬鹿なハズはない。
急に冷静になった三人だが、サクラちゃんは容赦なくレクチャーを続けた。
「でも、昔のアダルトビデオにありそうなシチュってのは、ま、いいとこ突いてるわね」
「・・・・だろ?」
肩で息をして、サスケが返す。
サスケも無意味な興奮からようやく立ち直ったらしい。
「いくら奇抜なものに走ったって、結局、そういうものは飽きられるのも早いわ。発展することと、原点を忘れて突っ走ることは、全然違うのよ!」
えっと、あの、これ、妄想の話だよね・・・
「先生を好き!だから先生を脱がしたい!だから苛めたい!だからエッチしたい!いえ、無理に奪いたい!!」
おいおいおい・・・
「そこに立ち返った作品は、力強いわ!!」
さ、作品って・・・ただの妄想・・・・しかもかなり下品・・・
でも、俺はもっと重要なことに気づいていた。
「でも、あれだよね、タイトル統一したから、」
「ストップ!!!」
サクラちゃんがいきなり俺のセリフを遮る。
「なんだよ、サクラちゃん」
サクラちゃんが、他の二人に聞こえないように俺に耳打ちする。
「ナルトぉ~、余計な事言わないの」
「どうしてだよ、だって、」
「露天の痴漢行為が『たった一つ望むこと』になってしまったサスケ君が可哀想でしょ!!」
ぶっ!!! [← ナルト吹き出す音]
そうだよ、それを言いたかったんだけど・・・・・
「サスケ君が気づいて、タイトル変えるとか言い出したら、もっと面倒な事になるでしょ?編集が大変なのよ!」
初めは、「露天の脅迫」とか「露天の事件」とかだったんだよ、この話。
ま、カカシ先生を弄ることが、サスケにとって本心からの「たった一つ望むこと」だろうからな、一応はいいんだろうけど。対外的に、あれだよなあ。
っていうか、こんな会議に外聞なんてあるわけないか。はははは・・・・
「ということで、ナルト」
うわっ!!!!
「次は、アンタの番よ」
っつーか、この流れで、俺?!
「ま、意外性のある忍者だもんな。お前はできるよ、ウスラトンカチめ(笑)」
・・・・・・ホッとしているサスケが憎らしい。
「楽しみだな、ナルト」
隊長・・・・
「期待を裏切らないでね」
サクラちゃん・・・・
意地悪だな、お前たち!!!
ま、さっきのサスケほどの逆境じゃないけどね。
しかたねえ。
じゃ、いくぜ!!!
続く