鳴門の案山子総受文章サイト
静かにドアが開いた。
「おはようございます」
病院の職員が入ってきて、カーテンを開ける。まぶしい朝日に目を細め、
「おはよう」
とナルトが返す。いつもの繰り返しが、また始まった。
微かに残る腰の重さに、ナルトはじっと天井を見る。
凄い夢だった。
熱を先生の奥に吐き出して、それでも、先生の長い手足が無防備に投げ出されているのを見ると、あっという間に血が集まる。横たわる先生に、すぐに自分の欲望が膨れあがり、そんな自分に更に興奮する。俺の強い抱擁に、気圧されながらも、また受け入れようと俺に縋る先生。その喉の奥に俺の名を飲み込んで、でも時々、零れ落ちて、俺は、やっと悟るんだ・・・・
まだ、半分夢の中にいるような感じがする。
腕は、先生の身体を覚えていて、皮膚はその体温を覚えている。
抱けば抱くほど、満足するどころか、自分が何かの途上にいると、強く感じる。
それが、生きているということなんだろう。
二人の関係に、落としどころなんかないと、思いっきり貪ったあとに、静かに気づくんだ。
疲れたら手を伸ばし、倒れそうになったら、もっと遠くに手を伸ばす。
そこに先生がいたら、ただ抱きしめるだけ。
もっと遠くにいたら、それでも求めて、俺は人生の渇望に耐えるだけ。
いつの間にか、まどろみ、窓を叩く音に目が覚める。
見ると、窓から、カカシが顔を覗かせていた。
夢の相手ではあるが、やっぱり夢のカカシとは空気が違う。どこまでも、はっきりと現実だ。
カカシが背嚢を背負っているのが見える。
ちょっと長い任務の様だ。出る前に、ナルトに会いに来てくれたようだ。
『しっかり治せよ』
と言いたげに、いや、多分そう言いながら、俺の方を指さした。
俺は親指を立てて、大きくうなずいた。
生きるって大変だってばよ、そう思いながら、でも、俺の笑顔に目を細める先生は、瞬身で消えた。
俺は、忍者の目を持っているのに、
「先生・・・」
輝く朝日が先生の銀髪をその光で縁取った残像が、いつまでも網膜から消えなかった。
終わり
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脱いでいるのに着てたシーンがあったようなwww