サクラの場合


ちょっと変だなあと思うんだけど、ナルトには、私が「同志」にしか見えないらしい。
こんなに可憐で可愛いくて、でもグラマーな私を、よ?
べつに私自身、ナルトとどうかなりたいとは思わないけど(世間での評判は知ってるけどね)、
そういう部分をスルーされると、やっぱりむかつくんだよね。
  「サ、ク、ラ、ちゃん!」
ほら来た。
もう、最初からげんなり。だって、こんな顔の時はさ・・・・
  「俺さあ、先生の夢、見ちゃってさ」
  「先生ったって、たくさんいるわよね」
あえてカウンター。
  「はあ?何言ってるんだってば。俺が先生っていうんだぜ、一人しかいねえだろ」
  「イルカ先生は?」
ナルトはキョトンとした顔をして、すぐに、否定する。
  「馬鹿だなあ、サクラちゃん。俺がイルカ先生で、そんな夢見るわけねえだろ?」
・・・・・なるほど。そういう夢なのね。
  「あのねえ、ナルト。朝からそういう話、聞きたくないから」
  「え?ちょ、まっ・・・っていうか、なんにも話してねえし」
  「話したも同然でしょ」
私は言い捨てて立ち去ろうとしたが、今日のナルトはしつこかった。
  「ねえ、聞いてよ、なあ、サクラちゃん、ねえってば!!」
  「うるさい!!話す相手なんて他にもいるでしょ?」
私がナルトの手を払いながら言うと、またもやナルトのキョトン顔。
  「いないに決まってるだろ。こんな事話せるの、サクラちゃんしかいないよ?」
え?・・・・
  「誰とも話さないの?」
と、ナルト、超赤面。
  「何言ってんだよ、今更。俺にとって凄く大事な事なんだよ?」
  「・・・・・」
  「そういう事って、恥ずかしいよね(笑)」
つられて私も頷いてしまった。
  「だから、サクラちゃんにしか話せないってば」
・・・・ナルト・・・・
ある意味、特別扱いね。
わかった。
聞いてやろうじゃないの!!



  「んで?」
私が乾いた喉を引きつらせて、続きを促す。
  「で?って・・・・終わり・・・だけど」
はあ?
  「だって、目が覚めてさ。先生に起こされたんだけど」
なめとんか、おのれ。
  「ちょっと、ナルト!!いい加減にしなさいよ!!」
  「ひっ!!な、な・・」
  「そんな中途半端な話を聞かせるために、私を拘束したの??」
  「こ、拘束って・・・ただの立ち話・・・・」
私は青くなって言葉に詰まっているナルトを一瞥すると、口調は優しくこう言った。
  「甘い。甘いわ、ナルト」
  「サ、サクラちゃん・・・・」
  「その夢、もらったわよ」
  「へ?」
  「アンタのそのヘタレた夢を、私の夢で昇華させてあげようじゃないの」
意味不明な私の宣言に、ぐっと詰まりながらも、もしかしたら美味しい話なのかもと頭をグルグルさせているナルトが、今は可愛い。
  「じゃあ、さ」
  「なによ」
  「お、俺も、昇華するよ、サクラちゃん」
だああーーーー!!!
ホント、凄いわ、火影候補は!!!




ナルトの私に対する扱いで私がムッとするのは、実は、それが的を射ているからだと気づいている。
ナルトはごくナチュラルに、それを悟って私に懐いてくるだけだと。
つまり、公衆の面前でナルトと先生の話をする、ということは、
私の「嗜好」を善良な市民の皆さんに公開しまくっているのと同意と自分で認識しているがために、
ただ私自身がこっぱずかしい、というだけ事なのだ。

でも。
抵抗しない先生っていうのは、イイトコ突いてるわ、ナルト。
そういうときの先生は、身体も心も、全然傷つかないの。
だって、敵忍の中にいるってことで、すべては「任務中」なんだから。
抵抗が有効ならそうするけど、もっと別な有効策があれば、それを遂行するだけ。
その冷静さが、客観的に劣勢な中でも維持されているっていうとこが、こう、クルわね。

それなのに。
そう、それなのに!!!

先生は反応しちゃうのよ。
わかる?ナルト。
先生の「身体」は感じちゃうのよ・・・

うは!!
私って、ほんとオヤジよねえ・・・・
万歳!!

さ、さっそく寝て、先生の夢を見るわよ!!



  「綺麗な身体してんな」
賊の一人がそう言うが、それは、はっきりと驚きの感情を含んでいた。
多分、そいつは男に欲情したことがないノーマルな奴だから、先生に勃起する自分が信じられないんだろう。
  「女じゃねえよな?」
しつこく言う奴もいて、ああ、そんな流れ、ほんっと、どこのAVよ!!
  「確認するか?(笑)」
そんな戯れ言の流れとは別に、実際に先生に触れている奴はそれどころじゃない様子。
先生の上体を地面に押しつけて、胸に手を這わせている。
  「男だぜ?」
独り言のようにそう言いながら、つまり男と認識しながら、それでも指は両の乳首を摘んで、刺激している。
初めは平坦に近かった先生の胸も、今は乳首がぷっくり屹立して、色も赤みが濃くなっている。
先生、感じてる?
肝心な先生の顔は、賊の影で見えない。
賊は、先生の乳首を指の先で軽く擦ったり摘んだりを繰り返し、
  「女なら、もう出来上がってる頃だ」
と無粋な言葉を吐いた。
こんな奴の下手な愛撫ですら、なんか反応している先生が愛おしい・・・・
  「ちゃんと濡れているかどうか、見ろよ」
  「だから、こいつ、男だって」
でも、事態は粛々と進行する・・・・
賊が先生の脚を持ち上げて、左右に押し広げるのが見えた。
そのとき初めて
  「んっ・・」
という先生の声のような呼気のようなものが聞こえて、
それが拒否なのか、単なる姿勢の変化による吐息だったのか、私にはわからなかった。
賊どもが、先生のソコを見ているのがわかる・・・・・



  「ちょ・・・ちょっと待って」
  「なによ、ナルト」
ナルトが肩でハアハア息をしながら、私の話を手で止める。
上手い具合に、私の夢は転がる妄想のように、先生を見ることができて、せっかくその内容を話しているっていうのにね!!
  「ちょっと、キツイ」
  「はあ?なにが?」
  「っつーか、すげえ内容だな、サクラちゃん」
  「何言ってんのよ。アンタの夢じゃないのよ」
  「いやいやいや、俺は嫉妬で目が覚めたけど、サクラちゃんの、どんどん進んでるじゃん!」
私はグッと目を細めてナルト見返す。
  「へえ?じゃあ、アンタ、この展開で感じてないの?」
ナルトがグッと詰まった。
  「・・・いや・・・興奮は・・・してるけど・・・」
  「フン(笑)」
  「でも、やっぱイヤだ。先生は、俺のモンだよ」
今度はグッと私が詰まる。
私だって、先生を私のモノにしたいんだから。
  「じゃあさ、賊を、私たちに変える?」
  「う~ん・・・」
ナルトが唸る。
結局、私やナルトが先生を「犯す」にしろ、そこに溢れてしまう愛情はどうしようもない。
つまりは「犯す」なんてことができずに、「奉仕」しちゃうんだよね。
  「でも、犯される先生も見たい」
ホント、正直ね、アンタは。
でも、ちょっと下品なので、拍手ではココまで。いつか続きを展開させるわ。




2015/08/30


1年以上拍手に置いていました・・・