テンゾウの場合




ヤマトさん。

  「!!!!!」

私、知ってますよ。

  「うおっ!!!!」

あ、探しても無駄なんで。違う次元から話しかけてます。

  「・・・・幻術?」

だから、違いますって。そっちは2次元でしょ。こっちは3次元+時間、だったかな、とにかく違うんですよ。

  「・・・・電波?」

あなたの中のもう一人とかじゃないですって。もしかして自覚あるんですか(笑)。
『ナルト!』を読んでるただの一ファンです。

  「ふうん・・?」

あなたの事も、もちろん多少、知ってます。

  「さっきの知ってるっていうのは、そのこと?」

はい。あなたが、カカシ先輩にヨコシマな想いを抱いているっていうことも、です。

  「・・・・・・」

違いました?

  「違うな。邪じゃない」

はあ・・・

  「淫ら、だ」

へえ・・・・突き抜けてますね。

  「よくはわからないが、君に隠し立てしても無駄のような気がしてね」

さすが、飲み込み、早いですね。

  「で、なんの用かな?これでも忙しいんだよ」

知ってます。隠し撮り画像の整理ですよね。もちろん先輩の。

  「・・・・・・」

時間かけてるの、知ってますよ。あれはやっかいですよね。他人にはカムフラージュして、自分ではすぐわかる隠し場所にしないといけませんからね。
そういや、以前、見られたら困るって思って、「漢詩の成り立ち」ってファイル名にしてましたよね。
でも、自分でそのこと忘れて、もの凄く困ってたことあったでしょ。はははは。

  「・・・・僕にプライバシーというものはないのかな?」

今は私がそれを保証しますよ。
ただ・・・・

  「・・・・なんだ?」

私のお願いをきいていただければ、ですが。

  「依頼なら里を通して欲しいんだが」

通していいんですか?
「漢詩の成り立ち」について、火影が知ることになりますよ。

  「・・・・脅迫するのか?」

いいえ。取引です。

  「・・・・わかったよ。なんだい?」

カカシ先生にアプローチして見せてくれませんか?

  「・・・あのねえ、」

はい?

  「君もわかってるだろ?それができないから「漢詩」なんだよ?」

ええ・・・まあ。
でも、やってみてくださいよ~~

  「やってみるなんて軽いノリでできるか。僕の一番大事で、ヤバイ部分じゃないか・・・・」

煮えきらないあなたに、告白のチャンスを与えてるんですよ!!
万が一、カカシ先生が激怒したとしても、私のせいにできるじゃないですか、ね?
こんないい条件の脅し・・・じゃなくて取引、ないですって。ね?ね?

  「激怒って・・・・」

激昂するかもしれないですけどね(笑)。

  「そう予測できてしまうことを、やらされるのかい、僕は」

でも、私にやらされたって逃げればいいんですよ。

  「君のせい?でも、その場合、先輩も漢詩のこと、知っちゃうんじゃ・・・」

たぶん大丈夫ですよ!!

  「たぶんって・・・」

ヤマトさん、考えてください。やらなければ、確実に先輩は漢詩を知ります。でも、やれば、知らないで済む可能性もあるんですよ。

  「何だよ、その変な選択・・・・・・」

返事はどうなんです?

  「わかったよ。やるよ」

いやったーーー!!!!





2009.08.01

思いつくままに書き散らしてます。気が向けば続けます~~