再びテンゾウの場合




あのですねえ・・・・

  「うわっ・・・君か。なんだよ、いきなり」

そんなに驚かないでください。私とあなたの仲じゃありませんか。

  「は?誤解を招くようなことを!!なんの関係もないじゃないか!!」

脅迫者と被害者の仲。

  「・・・・そうだね」

これほど強固な間柄もないんですよね、実際。

  「そんなことに特に意見はないよ」

意見はないって・・・そこはかとなく、怒ってるじゃないですか。

  「とにかく・・・・何の用だい?」

あのですねえ、全然、お呼びがかからないんですけど、やる気、あるんですか?

  「・・・・・先輩へのアプローチ?」

忘れてはいないようですね。

  「それは忘れていない。でも、肝心のことを忘れた」

なんです?

  「・・・・・保管場所のホルダー名」

ほら!!ね、だから言わんこっちゃない。

  「なんだっけ・・・な・・・」

私は知ってますよ。

  「やっぱり・・・僕にプライバシーはないんだね・・・」

プライバシーより、先輩の写真でしょ?確か、あのあと、整理で・・・・

  「・・・しっかり見られてる・・・」

確か、「オバマ大統領と私」ってやつだったと思う。

  「ああ!!そうそう、思いっきりわかりにくくしたら、あんまり関係ない名前で忘れたんだよね」

馬鹿みたい。

  「・・・しっかり聞こえているんだが」

聞こえるように言いました。

  「・・・・」

そんなことより、カカシ先生ですよ。さっさと告白してくださいよ~

  「あのさあ、僕が告白して、で、それのどこがおもしろいの?」

ああ、浅はかですねえ。そんなトコに興味はないんですよ。
私はねえ、その先を見据えているんです!!

  「その先?」

そうですよ!!!
そこに行き着くための第一歩じゃないですか!!

  「そこって・・・・あれ、かな、先輩と僕が・・・?」

あたりまえじゃないですか。
それを見たいんですよ!!!!
それなのに、入り口にも立たんと、あなたは!!!

  「うわ・・・君ねえ、知らないかもしれないけど、先輩はノンケなんだよ。だから悩んでるんじゃないか」

うっ・・・まあ、予想はしてました。
想定内です。

  「ちょっ・・・想定内って!!!玉砕させようってのかい、僕を!!!」

まあ、その可能性もなきにしもあらず。

  「なきにしもあらずって・・・・ほぼ100%に近いよ!!!」

でも好かれているんでしょう?

  「次元が違うよ・・・・」

そこらへんの自覚はしっかりしてますね。しかたないですねえ・・・・協力者を仰ぎましょうか・・・

  「は?!今、なんて??」

あなたに協力してくれる人を集めるんですよ。

  「おいおいおい・・・やめて、マジ、やめて!!!」

このままじゃ、ぜんぜん進まないじゃないですか!!!サクラあたりでどうですか?

  「いやだよ!!!わかってないよ、君は!!あの年頃の女の子に・・・うわああ、ゾッとする!!」

ま、わかってないのは、むしろあなたの方ってことで。

  「うわああ・・・・・・」





2009.08.02

思いつくままに書き散らしてます。気が向けば続けます~~