鳴門の案山子総受文章サイト
右手は、灰色の淡い影から、深部の青に溶ける
シーツの皺は、ないだ海の波のようで
強く押しつけられた時は
本当に溺れそうだった
波にぶつかる自分の呼吸がうるさくて
何度も顔を伏せるけど
シーツはもの凄く寛容で、身体ごと飲み込もうとするから
俺は息継ぎを強要される
気持ちいい?
馬鹿なセリフを投げかけられて
でも、それは
呻くようにしか応えない俺のせい
ねえ、先生?
俺は荒い息を整えもせず
肩越しに後ろを振り返る
シーツを水面にする強烈な日差しが伸びた髪越しに見え
その窓の四角いコントラストは、
ますます、ここを深海にする
ああ、いいよ
言い終わらないうちに
また波間が眼前に迫り、
俺はまた、海面の下
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