冬の休日(空間に満ちる幸せ)




互いの鼻先が赤くなっている。
ドアをあけて室内に入れば、数日誰もいなかった部屋は、外よりシンと冷えていた。
  「ストーブ」
テンゾウが言いながら、カーテンを開ける。
カカシが頷いて、ストーブのスイッチを押した。
  「昼だよ、テンゾウ」
装備を、ガチャガチャと脱ぎ捨てるカカシの、簡単なフレーズは、本当は、いろんな意味を含んでいることをテンゾウは知っている。
  「最高じゃないですか、3日、ですよ」
まるでかみ合っていないような返事に、でも、カカシも笑って頷いた。
  「俺、もう、全部、捨てていいって思うよ、マジ」
テンゾウも重い装備を脱ぎ捨てる。
  「買い物しちまいましょうよ。そしたら自由ですよ」
  「いや、ただ残念なことに、俺は、洗濯が嫌いなんだよね」
  「知ってますよ。俺、やります・・・けど?」
  「そうじゃない!!二人の時間に、俺の嫌いなモノ、入れるなよってこと」
  「はははは・・・・どうしたらいいんですか?」
  「その間、俺は・・・あ、そうだ。駄菓子屋に、当たってたガムもらってくる」
いい年をした大人の発言じゃないのに、テンゾウは真面目に頷いた。
  「ああ、そうですね。反対方向ですもんね」
言いながら、「る」という発音で止まったままのカカシの唇に軽く口付けた。
  「ヒゲも剃らないと」
  「ははは!でも、似合わない?」
  「カッコイイです」
  「お前もいいぞ、なんか・・・」
  「なんか?」
  「・・・感じる」
テンゾウが伺うようにカカシを見る。
が、カカシは、
  「いや、先に洗濯しろよ。俺も行ってくるから」
と言って微笑んだ。







解説。

外を数時間歩いた、互いの鼻先が赤くなっている。
任務帰り、カカシの家のドアをあけて室内に入れば、数日誰もいなかった部屋は、外よりシンと冷えていた。
  「ストーブつけてくださいよ」
テンゾウが言いながら、カーテンを開ける。
カカシが頷いて、ストーブのスイッチを押した。
  「でも、まだ昼だよ、テンゾウ。こんな時間から休暇がスタートだなんて最高だよね」
  「もちろん、最高じゃないですか、しかも3日、ですよ」
まるでかみ合っていないような返事に、でも、カカシも笑って頷いた。
  「ああ、この二人の時間のためなら、俺、もう、全部、捨てていいって思うよ、マジ」
テンゾウも重い装備を脱ぎ捨てる。
  「まったり過ごす前に、買い物しちまいましょうよ。そしたらあとはずっと自由ですよ」
  「いや、ただ残念なことに、俺は、洗濯が嫌いなんだよね」
カカシは任務中に汚れた衣類を指す。
  「もちろん、知ってますよ。俺、やります・・・けど?」
  「そうじゃない!!二人の時間に、俺の嫌いなモノ、入れるなよってこと。いくらお前といっしょでも、洗濯という不毛な行為に時間を費やしたくない」
  「はははは・・・・じゃあ、どうしたらいいんですか?」
  「その間、俺は・・・あ、そうだ。この間、駄菓子屋で買ったガム、当たってたろ?取り替えてもらってくる」
いい年をした大人の発言じゃないのに、テンゾウは真面目に頷いた。
  「ああ、そうですね。買い物に行く方向とは反対方向ですもんね。先に済ませてくだされば楽だ」
言いながら、「る」という発音で止まったままのカカシの唇に軽く口付けた。
  「ヒゲも剃らないとだめですね。結構生えてますよ」
  「ははは!でも、俺、似合わないかな?」
  「カッコイイです」
  「お前もいいぞ、なんか・・・」
  「なんか?」
  「・・・感じる」
テンゾウが伺うようにカカシを見る。
が、カカシは、
  「いや、先に洗濯しろよ。俺も行ってくるから」
と言って微笑んだ。

 

2010.02.21.