玄関から愛を込めて 3
アホか、俺!!!
よりによってこんな状況で、ナルトを意識するなんてな!!!
「・・・あ・・・や・・・・」
逡巡して混乱する脳みそをよそに、ナルトの手は、そっとそっと俺のペニスに触れてくる・・・・
その戸惑うような触れ方が、もう、ヤバイって!!!
「なあ、ナルト」
俺の問いかけにビクッとして、ナルトが顔を上げる。
「俺のしてること、分かるって言ったでしょ?」
コクッと頷く。
「漢字で書くとね、分かるよね?」
斜め上を見る。分からないらしい。
「自慰行為だ」
「じい・・?」
「そう、自分でやる、セルフだ」
「ああ・・・・」
なに言ってんだよ、もう。
若い部下捕まえて「セルフだよ」なんて言うシーン、どんな腐ったAVにもないわ!!!
「だから俺は、お前に手伝ってもらうわけにはいかない」
なに、この何気にカッコつけたような言い回し!!!
状況設定さえこんなじゃなきゃ、社会派ドラマみたいだね・・・・ははは・・・
「先生・・・」
「だって、オナニーにならないでしょ?」
どんな理屈よ、自分。
でも、言ったモン勝ちだ。
すまない、ナルト。
どんな馬鹿げた理由でも、今の俺には必要なんだ!!!
「分かったよ、先生」
ナルトが俺の目を見てつぶやくように言う。
わかってくれた?
助かった・・・・
と、とにかく、俺の息子から手を・・・・離し・・・え・・・?
分かったと言いながら、ナルトはその手に力を込める。
「や、ナルト・・・離せ・・・っ・・・」
「イヤだよ」
え?
なに?
「ナルト、だって、分かったって・・・・」
「うん、わかったんだ、俺の・・・自分の気持ち」
へ?
「お前の・・・・気持ち?」
「ああ」
ち・・・ちょっと待て!!!
なにこのヤバめなフラグ!!!
「男のチンポなんて触りたくも無いはずなのに、」
「ナルトっ!!!」
「先生のは平気だ」
「やめろって!!!」
「ずっとわからなくてモヤモヤしてたことが、」
「え・・・は?」
「今、わかったんだってば!!」
ああ・・・・ああ・・・・
なんだよ、何、言うつもりなんだよ!!
なんか、ごめんなさい、先生・・・・
ダメだって分かってるけど、このまま、流されたい・・・・
いいでしょう?
俺だって、意識しちゃったもん・・・・
「ナルト、先生は、もう、聞きたくないよ・・・」
「じゃあ、聞かなくていいよ」
そう言って、ナルトが俺のペニスをそっと握る。
「んっ・・・ふ・・」
声が出る。
ああ、三和土のコンクリが、ケツに冷たい。
俺の全精神と全身の力を振り絞っても、今、ナルトがしようとしていることを止めることはできない。
だって、もう、理屈とかじゃない・・・・
ナルトが俺を口に含む。
ああ・・・ああ・・暖かい・・・
どこでそんなこと覚えてんだよ、ナルトぉ~~
っていうか、背徳感もたっぷり加わって・・・・
ああ・・・気持ちいい・・・・・
ナルトが俺を捧げ持って、必死に咥えている。
もう、ダメなんだけど、火影に見つかったら瞬殺なんだけど、青少年保護育成条例があったら、いや、なくっても、人間としてとっくに終わっているんだけど、でも、もう、どうにもできません・・・・・
今まで俺、ナルトの事をどう見ていたんだろうって分からなくなるほど、愛撫されてる俺は・・・俺の身体は、ナルトが好きになっていた。
「あ・・んんっ・・・ナル・・・」
うげ・・・・・・
俺、鼻息荒っ・・・・
ちらと見た、下半身とナルトの有様に、俺の脊髄がビリビリと痺れる・・・・
ふっとナルトが目線を上げて俺を見た。
あ、やば・・・
「ナルトっ!!」
俺は、必死でナルトの肩を押し返す。
が、ナルトも抵抗して、ググッと力を入れてきた。
その弾みで、彼の口中が微妙にうごめいて・・・・
・・・・・・イっちゃった・・・
ナルトが目を丸くして、ペニスから口を離す。
今度こそ、俺、終わったよ・・・・
ナルトの口に出すなんて・・・・・な。
「・・・ナルト、すまん」
が、ナルトは、また、さっきの笑みを浮かべると・・・・・
その喉を鳴らした。
えーーーーー?!
「ま・・・飲んだのか・・・?」
「うん」
「ばっ・・・か、この・・・・」
俺が真っ青になって頭を抱えると、でも、ナルトは俺の顔を覗き込んで言う。
「聞かなくてもいいけど、俺、わかっちゃたんだ」
「・・・・・」
「カカシ先生のこと、・・・」
おう!!
教師失格?
ダメな大人?
なんとでも断罪しろよ!!
「なんか、かわいいって思っちゃったんだ」
・・・・・・・
・・・・・・・
想定外。
「だから、これも全然いやじゃなかった」
イヤじゃなかったのは有り難いが、色々、難問が山積してます。
っていうか、
「かわいいってなんだよ?」
一体、どこの女子だよ、お前。
軽蔑してくれよ、すっきり、はっきりさ!
「俺だってわかんねえよ。でも、すっごくなんか、」
ナルト・・・・
「かわいいって感じがして、」
恥ずかしいぃぃ・・・・・
「先生の感じてる声聞いたら、止まんなくなっちまった」
あ・・・・
もう・・・・
なんかズキンってした。
ここ。
この心臓のとこ・・・
身体だけじゃないのかよ・・・俺・・・
「ダメって言いながら、でも、先生も許してくれたよね」
許してない。
正直、抵抗できなかっただけだ・・・・・
「オナニーじゃなくなったけどさ」
言わないで・・・・
「二人でしたから、」
は?
「これって、セックスだよね?」
ひえええ・・・・・
ニコニコして言うなよ!!
「ち、違うな、ナルト」
「え?違うの?」
「これはセックスじゃない」
「じゃあ、なんだってばよ?」
「ええと・・・・そ、そうだ、前儀だ!!」
もうどうとでもなれ!!!
ナルトが俺を見る。
その透明な目差しに、俺は身震いした。
2009.12.13.