鳴門の案山子総受文章サイト
たった一つ望むこと [サクカカ]
ねえ、ナルト、アンタはこんな季節、嫌いよね?
そう言ってしまってから、そうじゃないことに、ナルトの表情で気づく。
「そうでもないってば」
でも、決めつけるサクラを、強く否定しない。
優しく受け止めて、やんわり否定する。
目を見開くサクラに、ニッと笑みを見せて、
「ほら、なんかさ、人との間が近いって言うか・・・」
と続けた。
晴れてる日は、空気まで開放的で、こう、さ、外にはじける感じだろ?
で、雨の日はさ・・・・空気が重く湿って・・・・
でも、そのせいか、一緒にいる人との距離が近い感じ、しねえ?
それが、なんか好きなんだよ
いつの間に大人になったのかしら?
サクラはその横顔をそっと見る。
いつものナルトの顔だった。
◇◇◇
「・・・って言ってたよ、ナルト」
そう言って今度はカカシの顔を伺う。
ふうんと、聞いているのかいないのか、カカシはぼんやり縁側に座って庭を見つめたまま。
重く垂れ落ちそうな雲の下、サクラもつられて暗い庭を見る。
確かに、庭の景色も、いまは近く見えるようだ。
ナルトが言っていたのは、単なる事実なんじゃないの。
そう結論して、静かに雨に濡れている庭石を見る。
と、
「寂しいんだろうなあ」
カカシが息を吐くついでみたいに、そう言った。
「え?」
サクラが聞き返すと、ちょっと笑んで、
「いや、普段元気がよすぎるからな、あいつは。雨の日くらいしか休めないだろ」
「・・・・・」
「だから雨が好きなんじゃないの?」
サクラはカカシの横顔を見る。
寂しいって・・・はっきり聞こえた。
そう思ったけど、サクラも曖昧に頷いて、何も言わなかった。
サーーッと静かに降り続ける雨は、二人の上に時間を積もらせるようで。
サクラは、どこか遠いところの森のリスの雨宿りを、いつの間にか思い浮かべていたりした。
「寒くない?」
いきなり腕に触れられて、サクラはハッとカカシを見る。
カカシの手は熱くて、そういや男の方が骨格筋は多いから・・と解剖学が脳裏を巡る。
「言われてみれば、ちょっと寒い」
「俺の方に来ない?」
あぐらをかいた膝に座れっていうのかな?
サクラが一瞬、逡巡すると、カカシは慌てたように、
「あ・・・なんか露骨だったかな?・・・ごめんね」
と照れたように謝った。
なんだ、誘ったつもりだったのか。
暗い庭に、明るいサクラの笑い声が響く。
でも、それは耳障りな感じではなくて、混じり合う穏やかな雰囲気のように、自然だった。
「先生、今時、そんなセリフじゃあ、文字通りに受け取られて終わりよ(笑)」
「え?」
「ほら」
と言って、サクラがカカシの膝の上に座る。
「あ・・・」
短い声をあげて、カカシが大いに赤面した。
◇◇◇
薄暗い畳の部屋は、海の底のようで、サクラは空気が足りない人のように深呼吸する。
さっきまで暗く感じていた庭すら、明るい。
静かな雨の音に、シーツに肌が擦れる音が、微かに混じる。
先生も、私も、様子は静かで、でも皮一枚下は熱くドキドキしている。
シーツに寝そべると、先生が身体を寄せてきて、互いの心音を聞いて笑った。
「そんなにドキドキするほど、私のこと好きなの?」
わざとそう聞いてみる。
他里には恐れられている忍者が、
「うん・・・好きだよ」
と、頬を染める様は、うっとりするくらい気分を上げた。
「サクラも好き?俺のこと・・・」
そんな簡単なセリフすら、確かめるように言うこの人は、もう、子供みたい。
言葉なんて、行動を彩るだけなのに。
でも、どうしようもない。
「愛してる」
と言いかえして、カカシの耳まで赤くしてあげた。
キスはする。
カカシの中で、キスに挨拶や愛情表現の要素は一切なく、ただ、セックスの前戯みたいな感じだった。
行動と心が、多分、誰からも踏み荒らされないできたから、カカシにおいては時々分離しているみたいにちぐはぐだった。
『違う』
カカシの薄く開いた唇を、舌でこじ開けながらサクラは心の中でカカシに訴える。
『好きっていう言葉と一緒なんだ』
でも、チロチロ舐めて、犯すようにカカシの口腔に割り入るサクラのキスは、いっそ前戯のようだった。
カカシの身体からは、すっと力が抜けていく。
こんなに完璧な男なのに、どこまでも受け身なカカシは、とことんサクラ好みだった。
重く湿る空気を動かして、サクラはカカシを深く含む。
「んっ・・・あっ・・・」
膝を立てて、カカシは腰をゆっくり揺するようにして、サクラの愛撫に身を任せていた。
あふれ出る唾液が、カカシの性器と股間を伝い、尻の方に流れ落ちる。
その焦れた感覚は、カカシの喘ぎを大きくする。
「あ・・サクラ・・・んんっ・・」
「うん、カカシ」
サクラは自身の指を舐めると、カカシのヒップのラインをツゥーッとなぞった。
カカシの身体が震える。
暗い室内の光を集めて、なぞった跡が隠微に光る。
サクラは、カカシの性器に舌を這わせたまま、そっとその顔を伺った。
カカシの横顔はスッとして上品で、黙っていればいろんな事を隠せるように見える。そんな美貌の男が自分と関係を結んでいることは、ちょっとした秘密めいた喜びだった。
しかも、カカシは、たとえばむしろイルカ先生のほうが、男として上だって思っているらしいから、整っているだけの自分のルックスに無自覚な部分があって、それもサクラを刺激する。
先生っていい男よね、というセリフより、ダメねえ、頼りないわ、と言う方が、カカシを喜ばせることも、知っている・・・・
「もう、我慢できないの?」
「は・・・あ・・・」
「漏らしちゃった?」
先走りを舐めとって、性器を左手で扱く。
庭石に落ちる雨の音に、カカシの粘膜の音が混じる。
カカシは目を閉じたまま、その眉間に深い皺を刻んだ。
「・・ぁああ・・・んんん・・」
カカシの中身は一体なんなんだろう?
時々そう思う。
奉仕されることしか知らない、本当に無垢な男。
「いきそう?」
「あ、ああ・・・う・・」
異性の身体の感覚なんてわからない。こんなに乱暴に扱いて、大丈夫かしら、と思う。
「あ・・・イク・・・」
カカシが小さく言って、部分に神経を集中させているようだった。
「んっあ・・・」
身体に力を入れ、絞り出すように吐精する。
ビクビクと何回かに分かれて、それはサクラの手に溢れた。
「みんなびっくりするよね」
ん~~と、余韻で身体をこわばらせるカカシに、容赦なく囁く。
「写輪眼のカカシがこんなに可愛いなんて」
「あ・・サクラ・・・」
ぼんやりした目は、はっと意識を取り戻したかのようにサクラを見て、ついで自分が出したモノを見て、また赤くなる。
「自分でしてないの?先生」
カカシにそれを見せつけて、サクラが笑む。
「こんなに出して」
雨はもう、夜気に溶けて、音は深く記憶の奥で振動しているみたいだった。
「さ、お尻、出してね」
滑らかなラインは、もう、見えているけど、敢えてそう言う。
カカシは、自分の臀部を手で触る。そのまま、仰向けの姿勢で、膝を僅かに左右に開いた。
雨で歪んだ外の光は、窓に垂れ落ちる水滴で、さらに淡く輪郭をぼやかし、カカシの肉の合わせ目も闇に溶けて、サクラの性感を刺激する。
「見せて、先生」
言いながら、もう、サクラも感じている。
「サクラ・・・」
「ちゃんと見せて、カカシ先生」
わざと「先生」と言うやり方は、カカシには効果があった。
「くっ・・・」
喉の奥でカカシが呻く。
「私の顔、またげる?」
さすがにカカシが身体を硬くし、サクラを見る。
でも、サクラの顔に、微塵も笑みが浮かんでいないのを見て、
ゆっくり頷いた・・・・
◆◆◆
「ち、ちょっと待ってサクラっ!!!」
隊長がここでタオルだ!!
「あら、どうしたの?隊長」
「さ・・・さすがに、これ以上は・・・・」
サスケも青くなってサクラを止める。
「オレでもやったことねえぞ、こんなプレイ!!」
「なんでも自分基準なのね、みんな(笑)」
でも、すげえよ、サクラちゃん。
素っ裸の先生に、自分の顔をまたがせるの・・・・?
う、やべえ・・・
いきなりのっけからこれじゃ、他の話が幼児向けになってしまう・・・
まあ、ここは、火影に一番近い俺が仕切るところだよね。
「仕方ない。自己規制でおねがいするってばよ」
「わかったわ。ナルトに言われちゃね」
ふう、と安堵する男3人である。ヘタレ。
「じゃあ、次はサスケ君ね」
ぶっ!!! [← サスケ吹き出す音]
ひえええ・・・・問答無用だよ。俺じゃなくて良かったけど。
「ま、ここから始めるってのは酷だろうけどさ」
ウケる・・・隊長がサスケを慰めてんぜ。
でも、サクラちゃんのこんな話の後じゃなあ~。同情はする。
「己の先輩への愛を燃やして、切り抜けるんだ!サスケ!」
おいおい。一瞬、ガイ先生かと思ったぜ。
「あ、ああ・・・サンキュー、ヤマト」
サスケがホントにダメージ受けてっから、笑えるよ、ホント・・・
「こんなことで、ダメになるなんてな。俺は、やっぱりまだ甘い」
サスケがマジに自己分析。もう、やめてくれ・・・・(笑)
「ヤマト、お前を見習って、誰にも恥じぬ変態を目指すよ」
ぶっ!!! [← ナルト吹き出す音]
恥じろよっ!!!
「無理するな。今はいい。とにかく今は、目の前の敵に集中だ!!」
敵って?!もう、あんたら、大きく何かがちがってるってば!
「わかったよ、ヤマト。じゃあ、みんな、俺の話を聞いてくれ!」
大丈夫か、顔色が青いぞ。
こんなに痛々しいサスケ、初めてだってば・・・
続く・・・