鳴門の案山子総受文章サイト
膝をついたまま、カカシの方に上体を倒す。
カカシは物凄く逡巡していて、俺のキスを受け入れるかどうか、俺の唇がカカシのにくっつくまで迷っていた。
唇が触れる。
冷えた薄い皮の下に、上司としてのカカシを裏切る血の熱さを感じる。
思わず、貪るようにその唇を吸う。
カカシの頭が後ろに傾き、俺は、逃すまいとしてその頭部を支える。
柔らかい銀髪が指に絡まり、上背の割りに小振りで形良い頭蓋に、カカシの均整のとれた立ち姿を思い出した。
「好きだ」
キスしながら、相手の呼気を吸い込んで、訴える。
「好きだ」
好きだ、好きだ、好きだ・・・・・
カカシはキスに応えながら、でも、動かない上体は、消極的に俺を拒否していた。
「だからイヤなんだ・・」
カカシは息を継ぎながら言う。
「本気だなんて・・・っ」
その先を言わせない。きつく吸う。
『馬鹿だ、お前』
多分、そう続けたろうそのセリフごと吸い尽くす。
唇を離す。
血色の悪いカカシの顔は、唇とその周りだけ、血の色を浮き上がらせて、化粧したように扇情的だった。
目を閉じている。
俺を拒絶して、でも、その脳みそは、俺のことで一杯だ。
「まだ他に選択肢があると思ってんのか?」
カカシの髪を掴む手に力を入れる。カカシが目を開ける。
「お前・・・酷いよ」
「酷いのは自分だろ」
俺のセリフに逆らえないカカシの目が、整った形のまま歪む。霞むように色づく目の縁がその証だ。
「キスして」
至近距離で、カカシにねだる。
諦めたように俺の唇にちょっと視線を落とし、また見上げる。
・・・今のカカシの気持ちが知りたい。
・・・そんな目の向こうが見たい。
俺の手がゆっくりカカシを解放し、それを追うように、とうとう、カカシが口付けてきた。
もう保管庫はだいぶ暗い。
さっきまで、カカシの姿を彩色していた夕日も、窓の外の植え込みに完全に遮られてしまった。
キスはかなり長く続き、そこにウェイト置かない俺の若さはちょっと焦りを感じた。
一度唇を離そうとして、俺の視界にカカシの股間が入る。
カカシが勃起していた。
俺はびっくりして、完全にカカシから唇を離した。
「ぁ・・・」
急に離れた俺に、カカシが小さく声を上げる。俺の視線の行方を知って、一寸だけ、左の口角を上げただけだった。勃っているチンポを隠そうともしない。
俺の手が何のアクションも起こさないことを確認して、カカシは自分でそれを掴んだ。
そのとき初めて、俺も勃っていることに気づいた。荒いでいる息にも気づく。
キスだけで、俺は興奮していた、カカシみたいに。
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
う・・・さっきまでノリノリで ( ノリすぎでちょっと怖かった ) 聞いていたサクラちゃんの機嫌が悪くなっていく。
何を怒っているのかわからない・・・・
「ちょっと、サスケくん!!!」
「!!う・・・な、なんだ?」
「なんか違うな~~」
こ・・こえぇ・・・
「何が違うんだ?ちゃんとカカシを脱がしたし、チンポまで晒させたぞ」
サスケ、完全に戸惑ってる・・・
「そこはいいわよ、グッジョブよ」
「じゃあ・・・???」
サクラちゃんは、これから補習でもしようかという勢いの超真面目な顔で、俺たちを見回した。
「いい?ナルトも聞いておくのよ!!」
「う・・・・はい・・」
「初心に帰れってことよ、私が言いたいのは」
初・・初心って・・・
「妄想なのよ、これは!!」
も・・・妄想に初心という概念・・・俺、ついていけるかなぁ・・・
サクラちゃんは、キッとサスケを見る。眼力に押されてサスケのチャクラが動揺した。
「妄想・・・だよ」
「でしょ?なのに、サスケくんは、恋愛してる」
「え??」
「カカシ先生と恋愛しちゃってるじゃないの!!」
ああ、もうとまらない・・・・
(以下まくし立てる)
そりゃ、恋愛自体、妄想パラダイスよ。必要条件でもあるわ。でもね、そんな甘い妄想、いまどきお子ちゃまだって日常茶飯事なのよ!!私たちの一体感はエロでしょう??大人のエロスなのよ!!妄想の中でしか出来ないことがあるでしょう!!思いっきりカカシ先生を泣かして、イヤだって言うのを無理に開かせなきゃだめじゃないの!!恋愛して、優しく愛し合ったら、楽しいのはサスケくんだけじゃない!!
カカシ先生の裸って時点で、十分、非現実的だと思ったが、火に油を注ぎそうだったので、黙っていた。
要約すれば、サスケはロマンチスト、サクラちゃんは、中身おっさんってことで・・・いいかな?
俺は、もう、かなり前から、ついていけてないから・・・。
誰かサクラを止めて・・・・この子、勝手にしゃべります。