鳴門の案山子総受文章サイト
耳には、静かな森のざわめき。
頬を風が通り過ぎ、髪を揺らす。
その閉鎖的な空間に抱かれて、俺とカカシは闇で呼吸していた。
カカシの左足の膝裏を押して、足を大きく広げさせる。
カカシの左手の指がゆっくり離れ、濡れたままのそこが俺を待っていた。
俺は自分の右手指を舐めて濡らした。
カカシが僅かに頷く。
さっきまで別人に見えたのに、それは、俺が知らなかったカカシの一面のせいなだけで、額当てで左目を隠しているカカシは、やっぱりいつものカカシで、俺の股間はビクッと容積を増した。
その自身の刺激で、俺は自分が勃起していることを初めて意識した。
俺は、興奮していた。
カカシという男の裸で。
ゆっくり指で表面を撫で、これからすることをトレースする。
修行も、勉強も、すべて難なくこなす俺は、こういう事に対する知識にも、もちろん長けている。
つまり、男に対してする愛撫くらい知っていた。
ただ、あのカカシが、俺の先生であるカカシが、俺の動きでどうにかなるという発想は、その先の時間軸が真っ黒に塗りつぶされていると感じるくらい・・・未知だった。
医学書通りなら・・・・俺の指でもカカシは感じる。
ポイントを刺激してやれば、持続する射精感に・・・・
俺の目の前で、イクはずだ・・・・
ゆっくり割れ目にそって撫でているだけで、カカシは僅かに悶える。
その様は、俺のある種の欲を刺激したので、俺は無意識にしばらくそれを続けた。
その時間を、俺の躊躇だと感じたらしいカカシは、右目を俺に固定して、
「大丈夫だよ」
と言ったので、俺は「え?」と聞き返す。
「指、入れて・・・」
俺が、その言葉の衝撃を受け止められないでいると、焦れたように続けた。
「・・・入れて」
もう、進むしかない。
身体を後ろにそらして、カカシとの時間を後退させることはもう、不可能だ。
口腔は乾ききって、舌が歯にへばり付く。
膝裏を抑えていた左手を、その太腿に沿わせて下ろし、親指で尻の肉を外側に広げる。表面を撫でるだけだった右手の中指を、そっと差し込んだ。
カカシは身じろぎもしない。
ゆっくり押し込む。
ああ、ねっとりと柔らかい・・・
こんな大人の男にも、スキルが滅茶苦茶高い忍者にも、飄々として部下の前でシコる馬鹿なカカシのクセに、ソコは驚くほど柔らかくて、その感じは、俺の何かを苛む。
脆い内臓をダイレクトに俺に触らせるカカシは、自分は右手を上下させた。
俺に「もっと」を言外に要求し、下半身の感覚に神経を集中させている。
右目は閉じて、唇が薄く開いていた。
やり方は知っていても、細かい呼吸やタイミングはわからない。
俺はただ、カカシの動きや様子にあわせて、指を出し入れした。
多分、俺の行為は、何の足しにもならなかったと思うけど、カカシは手の動きを速くして、そこだけは、俺の自慰とまったく同じだ。
俺は、その状態に見入る・・・・
「サスケ」
いきなり呼ばれて、俺は目線をカカシの顔に向けた。
さっきまで閉じて快感に盛り上がっていたはずの目は、今は開かれて、俺を見ている。
「も、いきそ」
また、俺の中心がドクンと脈打つ。
「サスケ、」
「なんだ?」
「お前のチンポ、ちょうだい」
「あ?」
俺の動揺や理解をよそに、カカシは身体を起こす。
俺の指や手は自然に離れ、俺に背を向けて腰を落とし気味に四つん這いになったカカシを唖然と見守った。
俺の目に、何かのフィルターがかかりっぱなしかと思うほど、カカシが綺麗に見える。
引き締まっている腰と尻なのに、夜の星明かりのせいか、艶めかしいツヤをその表面に乗せていた。
俺がその尻の肉を掴むと、それだけで、カカシの身体がビクンと震える。
尻を掴んだまま、俺の方に引き寄せる。
カカシが大人しく俺に向かって腰を僅かに上げた。
ああ、もう、俺の指をくわえていたソコの隠微な眺めまで、カカシはイチイチ整っていて、綺麗だった。
ホント、ダメな大人じゃん。
何かとバランスを取るために、俺は脳のどこかでそう思う。
誘惑されたと理性ではわかっているのに、俺の心は認めない。
カカシと俺との行為は、多分に恋愛感情を含んでいると思い込もうとする。
俺を好きだから、俺を求めて誘惑したのだと。
大人はそんなことしちゃいけないと冷静な思考ではわかっているのに、俺の身体は、そんなカカシが欲しくて仕方なかった。
「はやく・・・ね」
焦れるカカシは、下から俺を見上げるように目線を送り、諭すように優しく言った。
俺は頷きもせず、カカシの中心に自分をあてがう。
カカシが呼吸を合わせて俺を受け入れようとして、その一生懸命な様は、今度は俺の心を痛める。
カカシが愛おしくて、仕方なかった・・・