マーブル 4




チャクラ筆だと?
全く・・・・一体何なんだ、チャクラ筆!!!
「読んで字のごとく、ですよ。僕のチャクラを流し込んだ筆です」
いや、わかるんだけどさ。それと、カカシ先生の裸と、どう繋がるの??
サクラちゃんが言う。
「ちゃんとつながりを話してよ」
一同頷くと思いきや、いきなり隊長が、
「買う!!」
と言い放つ。
なに、その、単細胞的発想!!!
「そそ、それがあると、自由自在、ってことだよな、サイ!!」
「自由自在?」
サイの冷徹なセリフが隊長を襲う。
「え、そうなんだろ?自由自在なんだよな!!?」
「どういう自由自在ですか?」
「ほらぁ、カカシ先輩の裸とかさあ、何故か君が描いてないかわいいアソコ!!とか、もう、こうさ、キュッと締まったお尻とかさ、へへへ、そういうのが、もう、描き放題、見放題、なんだよね!!!はははっ!!!」
普通にヒクってばよ・・・
「ヤマト隊長」>サイ
「はい?」
「ちょっと落ち着きましょう」
「・・・なんだよ?」
「落ち着いたところで、今の発言を、もう一度繰り返してみてください」
「・・・・えっ!!!」
隊長が顔面蒼白になる。
おいおい、サイ~~・・・・
「もちろん、途中で入った笑い声も含めて、です」
「・・・・・・」
「サイ、勘弁してやれよ」
あんまりかわいそうなんで、俺が止めに入ったってば。
「ま、いずれにせよ、絵心のないアナタには無理ですよ」
きたよ・・・・・オブラート無しの辛辣発言。
サスケも話に割ってはいる。
「いいからよ、チャクラ筆ってやつの事を教えろよ。内容次第では・・・」
「やるって言うのかい、サスケ?」
「いや、俺が買う」
馴染むな、お前らっ!!
「わかったよ。まず、説明しようか」
とサイが話し始める。
「この筆に」
とサイが使っている筆の一本を示した。
「こうやってチャクラを流す。まあ、いわば、これが受像して・・・発信器となる」
「じゃあ、アンタが受信機?」>サクラちゃん
ちょっと違う、と、新しいスケッチブックを開く。
「この紙に、チャクラに反応する印画紙的な働きを負わせている。この受像した筆で描くと・・・・」
こうなる、とまた描いて見せた。
スラスラと、隊長に渡したスケッチブックにあるのと同じカカシ先生が描かれる。
「す、凄い!!何度見ても・・・凄い!!」>ヤマト隊長
「原理はわかったってば。知りたいのは、受像のタイミングだよな?」
「簡単さ。この筆を、待機所脇のシャワールームに置いておくだけ」
「ぼ、僕にも貸してっ!!!」
隊長が奪うように筆をとり、あたらしいページに筆を滑らせる。
そして、サイが描くのと同じように、スラスラと・・・・・ダンゾウの全裸体を描き上げた。
「ギャアーーーーー!!!」
隊長が失神寸前で、ギリギリ立ち直った。
「サイ!!!何なんだ、これはっ!!!」
「シャワールームに置くって言ったでしょう?この術の一番難しいのは、カカシさんの映像を選別することなんですよ」
「そ・・・それを先に言ってくれたまえ・・・・」
しかし、隊長の描いたダンゾウも、写真のように上手い。
「サイ、絵心なんていらねえんじゃ?」
「違うよ。流し込んでるのが僕のチャクラだから、誰でも上手く描けるだけだよ」
「それに、なんでダンゾウは全身なの?」
隊長に大ダメージを与えたダンゾウの股間を臆することなくサクラちゃんが指し示す。
「身長の関係です。筆を置く場所が限られてるので」
なるほど・・・・
「・・・サイ、僕にも映像、選別できるかい?」
諦めがわりぃってば、隊長。
「無骨な木遁使いには無理でしょう」
きっついな・・・・大笑いだけどね。
「でも、筆なんか置いてあったら、変に思うだろ、フツ-」
サスケがまっとうなことを言う。
「それは大丈夫」
とサイがニッリ笑って、なにやらメモを取り出した。
「このメモを筆につけておくと、まず、誰も触らないね」
なになに・・・?
そこには、
『ヤマト私物。某プレイ用』
と書いてあった。
一同爆笑。
隊長は怒ってたけどね。
「酷い!!酷いよ!!サイ!!君って奴は!!!」
そして、頭を抱え込む。
「ああ、先輩も見たんだよ、これ!!どうしてくれるんだ!!!誤解されたよ、もう!!」
しかしサイは動じない。
「隊長、別な筆も稼働中ですよ?あ、今、カカシさんを補足した・・・かも?」
「え?ほんと?」
単純すぎて見ていられないってばよ、ヤマトさん。
「まあ、しかたないか。僕のためにしてくれたんだもんね」
回復しがたい名誉と引き替えにな。
サクラちゃんが、そっとサイに耳打ちする。
「ねえサイ、今、稼働中の筆にはどんなメモが書いてあるの?」
「これですよ、サクラ」
サイがスラスラと紙に書いてよこした。俺とサクラちゃんがその紙を覗き込む。
そこには、
『股間用。ヤマト私物』
と書いてあった。
おい・・・・
「公開処刑に近いわ」
と言ってサクラちゃんが、吹き出すのを我慢していた。
「サイ、お前、隊長を弄りすぎだってばよ」
「ああ、わかってるよ」
おい、わざとかよ!!
「ある意味・・・好きなんだと思うね、僕」
・・・・・
「サイヤマ」
自分で言うなっ!!!




2009.08.11.

続きます