08 無理矢理「一緒に寝る」2  [ナルト]



俺自身、本当は驚いていた。

いくらイルカ先生が先導したとはいえ、
あの優しくて、優秀で、面倒見のいいカカシ先生を、一緒に(無理矢理)抱くなんて、
いつもの俺なら、あり得ないの一言だ。
カカシ先生の心情を思えば、とてもじゃないが、というところだが・・・・

いや、本当はそうじゃないんだ、ということに、今、まさに気づきつつある自分に、
俺は驚いていた。

カカシ先生の形良いモノを握って、そのビクビクする拍動を読む。
先生は、心底、俺がこうしていることを嫌がっていた。
それは、先生の纏う雰囲気で充分よくわかる。
あたりまえだ。
生徒だった年下の未熟なガキに、良いようにされて喜ぶ「教師」などいない。
でも。

イルカ先生が、低い声で俺に言う。
   「お前ももちろん、カカシさん、好きだよな?」
返事をしようにも、俺の喉はとっくに干からびている。
ああ、という返事らしき呼気が漏れて、俺はイエスを目に込めてイルカ先生を見た。
   「先生っ!」
カカシ先生が、俺に局部を握られたまま、低く言い返す。
   「好きだったら、優しくな」
俺はブンブン頭を縦に動かす。
それを確認して、イルカ先生が横たわったままの姿勢で、カカシ先生に幼児に排尿させるような姿勢をとらせた。その凄い景色と、カカシ先生が「あ」と思わず漏らした声に、俺の全身の血管が悲鳴を上げる。
カカシ先生の尻の下にチラチラ見えるイルカ先生のモノは余計だったが、でも、その図が余計に、カカシ先生の俺を煽る何かを強調するようで、かなりクル。
先生の性器から少しずつ手を下にずらし、夜目にもチラチラと光る淡い色の陰毛を撫でつける。そのままさらに下ろして、俺の指がついにそこに至ると、ビクリと身体を震わせて、先生の懇願がはじまった。
   「ナルト」
まるで、なにか日常の会話の延長のように平坦だ。
   「ナルト」
でも、二回目は、微妙に語尾が震えた。
   「お願いだから、やめて」
そんな無理なお願い、初めて聞いた。
だから、もちろん応えない。
こんなに固くして、でも、全身で拒否ってる。
俺を欲しがっているのに、イヤだと言う。

これが大人なんだと、俺は理解しつつあった。
イルカ先生は酷いけど、カカシ先生のためにやっていて、というかむしろ共犯で。
カカシ先生は嫌がっているけど、先生の大人な気持ちは、べつにどうってことないんだと。
そのわざとらしい、全員がシナリオ通りに事を進めるイヤらしい「大人」の空気を俺は初めて理解して、「なんでもアリなんだな」という感想にまで行き着いた。
だから、もちろん俺のポジションは決まっている。
エロい先生どもに誘導され、自分の欲望を満たしているかのようで、つまりは先生に良いように利用されてしまうガキの役割だ。

俺は自分の指先をしゃぶる。
本当は先生の耳に絶望的に聞こえそうに盛大にやりたかったが、それじゃダメだ。
必死に、先生にすべて向けて、俺は指を舐めた。
   「ナルト!!いやだって!!」
先生がキツク言い放つ。
俺があとちょっとガキだったら、本気でビビッてやめてしまう迫力が、確かにあった。

でも、予定調和だ。

俺は、カカシ先生の向こうのイルカ先生を見る。
凄く大人なイルカ先生は、もう、俺にアドバイスすらしない。
固くカカシ先生を抱きしめて、その耳を舐めていた。
怒鳴ったはずのカカシ先生の言葉の語尾が、イルカ先生の愛撫で、呻くように消えたのを聞いた。
うわ・・・
マジでくる・・・

グチュと、モロな音がして、俺の左手がソコをひろげた。
かさついた俺の指なんか、もしかしたら痛いかも知れないが、イルカ先生の凶暴な愛撫を受け止めているカカシ先生は、大丈夫そうだった。
俺が右の中指を差し込むと、ぎゅーーーっと締め付けてきて、もう二度と抜けないんじゃないかと、若干の冷や汗が出たのは嘘じゃない。

   「・・ああ・・・やっ・・・・」

イルカ先生とのキスの合間に、カカシ先生が、俺の指と連動した声を漏らす。
感じるんだ、こんなトコで・・・
緩く抜き差ししながら、俺は先生を見上げる。

   「いっ・・・・あああ・・・」

これは、アレか、開発されてるってやつか?
・・・・ふうん、つまり、それだけ親密なお付き合いなわけだ、先生たち・・・・

頭では優雅に考えているようだが、実際は、激しい流れにぶっ込まれたみたいに、俺は必死だった。
大人は勝手にどんどんヒートアップしていくし、本当は、凄く色っぽい事のはずなのに、
中忍や上忍にいたぶられる下忍のような、そう、圧倒的な経験値の差がもたらす、絶望や、蔑まれ感が満載だった。

俺の指が急に抜ける。

   「あ?」

間抜けな声は、もちろん俺。
すぐに状況が把握できない。

カカシ先生の身体が、俺から離れていく。
そして、ようやく、事の次第を理解した。
イルカ先生がカカシ先生を後ろから抱いたまま、上体を起こしたのだ。
俺も、シーツの上で、立ち膝で状況を見る。

   「ナルト、もう、いいぞ」

イルカ先生がそう言った。
は?
何?
何がもういいの?

カカシ先生は、もう俺になんの興味もないように、イルカ先生に抱かれたまま、俺に横顔を見せている。
イルカ先生も、俺を見ない。
そして、カカシ先生の脚を抱え上げ・・・・

イルカ先生がしようとしていることをようやく悟った俺は、思わずちょっと後ずさって、
つまり、盛大にびびっていた、

大人の本気に


2013.07.27.拍手UP/2015.08.25.加筆UP


続きます・・・