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男のオレでもわかる。

思わずサクラに謝ってしまうほど、ここは、殺風景で、殺伐としていて、心から愛しいと思う女を抱くのには、似つかわしくない。
でも、そんなくだらない思考も一瞬だった。
我知らず、感覚が鋭敏になり、外界の雨の音が、すぐオレの後ろで降っているかのように聞こえてくる。サクラの、ちょっと浅くなっている呼吸も、オレ自身の熱い呼吸も、触れることができるくらいはっきり聞こえる。
オレは腕の中のサクラを見る。

おでこを気にしていた、あの幼いサクラ。
時に、男顔負けの大胆さと働きで、仲間を救ってきたサクラ。

全部オレが知っているサクラなのに、今、目の前にいるのは、オレの知らないサクラだ。
半透明な薄明るい桃色に染まったサクラの唇は、とてもじゃないが、オレと同じ人間のものには見えなかった。
その唇が、喘ぐように開き、言う。
「サスケ君・・・」
オレは今初めて、相手にあわせて時間を運ぶ、ということをしていた。
問答無用で、邪魔するヤツは排除してきた。
一時は、仲間ですらその対象にしたオレ・・・・
「サクラ」
サクラが頷く。
さっき、負けても悔しくない、そう思った。
でも、サクラをこうして抱きしめて、オレの腕の中で慈しんで、それすら違っていたことに気付く。
さっきまでのオレはそうとしか、今の心情を表現できなかったが、なあ、サクラ。
オレの人生が、ただただ、次のステージに進んだ。
それだけの事だったんだな。
「サクラ」
そして、それは、オレ一人ではあり得ない。
もう、お前はオレの半身・・・・いや、

「愛している」

オレのすべてだ。


 

床に延べたホコリだらけのシュラフに、二人、顔を見合わせて笑う。
でも、互いの余裕もそれまでだった。
オレはサクラを抱きしめ、シュラフの上に押し倒す。
か弱い、ワケはないのだが、それでも、オレが想像していた以上の力で、サクラがオレの抱擁に応える。オレは、戦闘の時に覚えるなじみ深い興奮と、そしてそれを支える、戦闘の時とは全く違う深い情感に、何度も感嘆する。オレの身体なのに、オレの思考の及ばないレベルで、オレの身体はもう、サクラのものなんだ。
どう脱がしていいのかわからない服に手間取ると、サクラは、オレにはわからない手際で、ピンク色の服を緩めた。
オレの手が、その服を、ズリ下げる。
豊かな胸が、その下着を押し返し、弾けるような質感でオレの前に現れる。
ドクンと、オレの全身が、一気に高まった血流に震える。
下着をずらすオレの手が、汗ばんで、でも耳は、外の雨音を静かに聞いていた。
「サスケ君・・・」
弾けるように顔を出した右側のピンク色の乳首に、口づける。
軽く表面を舌でなぞると、「んっ」とサクラの吐息。
甘噛みして吸うと、柔らかかった乳首が、舌先に充血して当たる。
オレの手は、更に下着を下げ、左の乳房もむき出しにした。
雨天の淡い光が、蕗の葉に半ば遮られて、サクラを照らす。
オレが抱き直してサクラの身体を動かすと、両の乳房も撓んで揺れる。その上の乳首も可愛らしく、オレが指で触ると、ちょっとだけイヤイヤをするようにサクラが身もだえた。
今度は左のそれを口に含む。
ゆっくり舌で愛撫し、右の乳房を掌で包み、柔らかさを堪能するように揉み込んだ。
「あ・・・んっ・・・」
初めてはっきり聞く、サクラの声・・・・
オレのモノが、痛みを伴うほど、はっきり反応した。
「サクラ」
オレは自分が無意識にサクラを呼ぶ声を聞く。
「サスケ君・・・」
「はああ・・・」
自分の吐く息に驚く。
サクラが大事すぎて、興奮して、勝手に呼気が漏れる・・・・
オレの手が、サクラの下半身に伸び、その小さな下着を押し下げた。
「あ、や」
短いサクラの声がしたが、オレは構わず、それをサクラの足から取り去る。
興奮はしていた。
でも、それ凌ぐ大きな愛おしさに、オレは突き動かされていた。
サクラに覆い被さると、深いため息とともに、今一度、強く・・・・強く全裸のサクラを抱きしめた。
愛しすぎて、どうかなりそうだった。
たぶん、生物としての当たり前の雄の反応なんだろうという冷静な思考もあったが、それでも、オレは涙が出そうに、この興奮に感謝していた。
キスは深く、互いの唾液が、互いの口腔に流れ落ちる。
静かな雨音を頭の後ろで聞きながら、今の幸せしかない。
サクラの頬を、オレの唾液で汚して、更に首筋を舐める。
サクラが頭を緩く振って、その髪が、シュラフの表面を擦った。
か細い鎖骨を、唇で愛撫しながら、そのまま胸に顔を埋める。
オレの腰は、ビリビリと神経を跳躍させ、抱いている女の凄さに、恐れを覚え始めていた。
ナルト。
殴り合ってわかるお前が、可愛く思えるよ。
ああ、こんな柔らかいモノが、しっかりオレを受け止める。
ナルト。
抱いているのはオレなのに、なんだか、圧倒されそうなんだ・・・本当は・・


【続く】